
12/2(土)から12/10(日)まで開催する「小嶋亜創展 印判輪舞(いんばんろんど)」のお知らせです。
長野県大町市の小嶋亜創さんの7回目となる個展は「印判(いんばん)」をテーマに実施します。
印判とは、手描きではなく、型紙摺絵や銅板転写による、いわゆる量産を前提にした模様のある器のことです。明治から大正にかけて多く染付の印判が作られましたが、より古いものでは江戸時代の染付やベトナム、タイなど東南アジアの器にも見る事ができます。絵筆の技量を必要とする手描きの器に対して、印判は写しの数物の器となり、高級な上手よりも下手の器。しかし作者の表現が入らない作為なき佇まいを却って尊ぶコレクターもあり、印判手という骨董のカテゴリーが成立しています。
今回、小嶋さんが作る「印判」は、こんにゃく印判と呼ばれるハンコを押して模様づけした器になります。転写よりも不鮮明で掠れた風合いが古代壁画のごとく器の世界を印象づけます。小嶋さんは以前から伸びやかな手描きの文様の器に定評がありますが、今回は敢えて絵柄をハンコにすることで、下手の器の美しさを問う意図が含まれているのです。
今回の絵柄は、古典的な吉祥紋もあれば、異国情緒ある景色やお茶目な動物もあり、素朴で郷愁を感じさせる仕上がりです。それらの模様が器の中で上下左右に回転する様子は、まるで同じ旋律を何度も繰り返す輪舞曲(ロンド)のようです。
小嶋さんは、ここ数年、関東で開催する展示会は自ら1つのテーマに絞っており、弊店でも同様に「茶碗」(2014)、「やちむん」(2015)、「無文」(2016)と展開してきました。今年は新たに取り組む印判の器。どうぞ「印判輪舞」の世界を見にいらしてください。店主
小嶋亜創プロフィール
1978年 長野県上田市で育つ。
1994年 山形県の自給自足を基盤とした高校に入る。
1997年 百姓を志し全国の農家に居候としながら旅をする。
2000年 独学で作陶、築窯開始。
2004年 長野県大町市に移住し半農半陶生活を営む。
2017年 現在、同地にて百姓と陶芸の日々を過ごす。
小嶋亜創展 ~印判輪舞(いんばんろんど)~
12月2日(土)~ 10日(日) 会期中無休
営業時間11時~18時
作家在廊日 12月2日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
