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「吉田佳道 竹の花籠展」 オンライン開催のお知らせ

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4月18日から予定しております「吉田佳道 竹の花籠展」は店舗での展示会は取りやめ、オンライン上のみの販売会とすることにしました。会期中、ブログ、Facebook、インスタグラムを通じて作品をご紹介して参ります。どうぞご期待下さい。

長野県安曇野市の竹工芸家・吉田佳道さんの工房で竹ひごを作る工程を見せて頂きました。真竹を割り細かく裂いていく過程で、シュッシュッと竹を削る心地良い音がします。刃を土台に立ててひごの厚さを整えていく作業は、刃の角度調整や絶妙な力加減があり、その神経の細やかさが、作品の隅々まで届いていることが実感できます。編む技術以上に大切なのが、ひごづくりだと聞きました。真っ直ぐに見える竹も自然素材ですから、ひとつひとつクセがあります。その性質に合わせて巾決めと厚さの削り出しを手で加減しながら、鉈や小刀で幅2ミリ、厚さ0.25ミリに揃ったひごにしていきます。吉田さんの花籠の美しさはこの地道な積み重ねから生まれるのです。

直線的で清らかな素材、竹。竹林に入るとその清々しい空気に誰もが心洗われることでしょう。日本各地で植生し、昔から建材や生活道具として使われてきた身近な素材ですが、個人の工芸作家が花開くのは意外と遅く、明治時代に煎茶趣味と共に中国から入ってきた竹工芸がきっかけでした。現在は伝統工芸の技を極める領域を頂点に、生活道具の竹籠などを中心に作る若い作家も増えています。そのような中、吉田さんは暮らし側から見た竹の美の在り方を求め続けてきました。伝統工芸の特殊領域でもなく、また生活工芸の文脈とも一線を画しています。極に寄らずに両者の間に座する竹の可能性とは何か。竹と花が日常にもたらす凛とした空気。美と暮らしを繋ぐ竹の花籠の長年の提案は、吉田さんの矜持なのです。

展示会の副題は「淙々(そうそう)」。この季節、吉田さんが暮らす北アルプスからの雪解け水が流れる音と清らかな竹の美しさを重ねました。安曇野にもようやく本格的な春が訪れます。自然の季節は留まることなく確実に進んでいます。店主

プロフィール
1962年 大阪府生まれ
1988年 大分県別府にて竹工芸を学ぶ
1993年 長野県安曇野市にて独立
2020年 現在、同地にて制作

吉田佳道 竹の花籠展 淙々 
2020年4月18日(土)~26日(日)
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市
今展はオンライン上のみの展示販売会となります

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