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「市川陽子展 漆皮」3日目

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「市川陽子展 漆皮」の3日目。


市川陽子さんの漆皮。なめした革の形状を活かし、それを漆で定着させた作品。皮の縁(へり)の縮みや縫い合わせた糸が一層動物質の素材を感じさせます。

皮革に漆を施す「漆皮(しっぴ)」は、皮という素材に注目が集まりがちですが、市川さんの起点は、漆という素材そのものを如何に表現するかにありました。京都芸大時代には漆工の髹漆(きゅうしつ)を専攻し、漆を流体として見せるために布を使った作品を制作していました。
漆と言えば、お椀など木を胎に使い、その表層をコーティングする素材として用いられるのが一般的です。麻布を使う乾漆も仏像や椀形の型を基礎にして漆で象るための素材です。それに対して、本来液体である漆をそのまま硬化させてその魅力を伝えることが出来ないかというのが、市川さんのテーマでした。
大学時代の後半には布に代えて既に皮革を使った「漆皮(しっぴ)」に取り組んでいました。奈良時代から存在する漆皮ですが、その伝統を再現すること以上に、皮革を支持胎にして漆という樹液を表している。ここが市川作品のポイントなのです。
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市川陽子展 漆皮 SHIPPI
2020年11月7日(土)~15日(日) 
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6



プロフィール

1985年  大阪府生まれ
2009年  京都市立芸術大学美術学部工芸科卒業
2011年  同大学院美術研究科漆工専攻修了
2020年  現在京都市にて制作



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