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「董全斌展 変化-茶的天意」開催のお知らせ

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9月10日(土)から9月18日(日)まで開催する「董全斌展 変化-茶的天意」のご案内です。
景徳鎮の作家・董全斌(ドン・チュァン ピィン)さんの茶壷(急須)、茶杯、そして素描画の展示会を開催します。董さんの作る茶器は中国の古典的要素と自然に着想を得た細部が合わさる独自の世界観を呈しています。宜興の紫砂を用いた茶壷は、軸の通った回転体ながら僅かに動く注ぎ口や把手、そして繊細に削られた表面の仕上げなど有機的な印象を与えます。また蓮弁や植物の実のような茶杯は、模様を通して透ける光が美しく一杯のお茶を神聖な存在に変えてしまいます。
董さんは大学卒業後に北京でデザインに関わる会社を興し社会的な成功を得ますが、10年を経て一転その生活を捨て、景徳鎮に移り住み独学で茶器作りを始めました。自然素材を基にする陶芸が訴えかけているのは人間そのものであり、究極的な問いかけであると言います。その思いで作られた董さんの茶器は、お茶を喫する方に物心共に支持され高い評価を得ています。昨年夏に出版された董さんの著書「一人飲み」では茶器の美しい写真と共にその考えや技術が惜しまず公開され、一介の作り手を超えた思想的陶芸家として位置づけられているのです。
今は董さん以降に多くの茶器作家が輩出されていますが、その流れとは一線を画し、人気に埋没することなく量産には取り組みません。同じものを二つ作ることはなく、求道者のごとくひとつひとつを突き詰めています。宜興には熟練の技術を持った作者は多くいますが、董さんが求めているのは究極の技術ではなく、茶を通した物質を超えた精神性であり、文化的メンターとして多くの人々に影響を及ぼしています。
中国のお茶の歴史を振り返れば、唐代に茶経を記した陸羽をはじめ明清代の文人趣味のお茶が脈々と受け継がれ、日本の茶道や煎茶に大きな影響を与えてきました。また近年の中国では旧来とは違った、より洗練されたスタイルでお茶を嗜む若い人たちが増えています。それは中国の経済発展とともに、文化的な精神性を振り返る機運が高まっていることに起因します。その中でお茶はひとつの象徴であり、文学、音楽、詩、教育、商業の中で新たな芸術を求める思いが胎動しているのです。今回、日本初となる董全斌さんの貴重な展示会になります。これを機会に董全斌さんの思い、そして茶的天意(茶の摂理)に触れて頂けることを願っております。店主
※初日を除き、9月11日(日)~18日(日)の8日間、中国茶・台湾茶・日本茶・ブレンド茶など様々なスタイルのお茶人7名の方に、董(ドン)さんの茶器を使ったお茶会をお願いしました。中国や日本の喫茶を融合したお茶を愉しみながら、お茶のことを考える機会になれば幸いです。詳細はあらためてご案内します。

董全斌展 変化-茶的天意  
The Exhibition of Dong Quanbin
2022年9月10日(土)~18日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  最終日は17時迄
会期中 9/11~18の間、お茶会を開催します
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6


董全斌 経歴
1979年生まれ。 中国河北省張家口市宣化県。
河北師範大学美術デザイン学科卒業。卒業後、北京にデザインカルチャーコミュニケーション会社を設立。
10年後、景徳鎮にて陶芸を始める。現在、景徳鎮にて制作活動。



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