
9月10日(土)から始まる「董全斌展 変化-茶的天意」に出品する茶杯です。
景徳鎮の作家・董全斌(ドン・チュァン ピィン)さんは、茶器の中でも茶壷(急須)を主とする作家として認知されていますが、近年は殊の外、茶杯への強い思入れがあり、今展では茶杯を中心にした展示構成になります。
ここに紹介する茶杯は今展の案内状に掲載するために届いたものです。古典を踏襲する茶壷(急須)に比べると、茶杯は董(ドン)さんのオリジナリティが強く、茶に対する思想を体現しているように思えます。
口縁は細かく刻まれ、所々に渕錆が変化を与えます。また蓮弁が織り成すレリーフ状の稜線は、青白の釉薬が光を透かして、そこに湛える茶を神々しく見せてくれます。植物の極微な観察から生まれる茶杯。そこには自然の摂理が顕われるのです。
昨年中国で出版された董(ドン)さんのご著書のタイトルは「一人飲み」とあるように、茶杯は組み物ではなく、ひとつひとつ違った表情をしています。茶を喫することは人と人を繋ぐ交流であると同時に、自分自身を見つめ直し思いに耽る時間でもあります。その象徴としてドンさんは茶杯を捉えているのです。
【董全斌展 茶会のご案内】
※初日を除き、9月11日(日)~18日(日)の8日間、中国茶・台湾茶・日本茶・ブレンド茶など様々なスタイルのお茶人7名の方に、董(ドン)さんの茶器を使ったお茶会をお願いしました。中国や日本の喫茶を融合したお茶を愉しみながら、お茶のことを考える機会になれば幸いです。こちらにてお茶会のご予約を承っております。
https://utsuwanoteshop.stores.jp/
董全斌展 変化-茶的天意
The Exhibition of Dong Quanbin
2022年9月10日(土)~18日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時迄
会期中 9/11~18の間、お茶会を開催します
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
董全斌 経歴
1979年生まれ。 中国河北省張家口市宣化県。
河北師範大学美術デザイン学科卒業。卒業後、北京にデザインカルチャーコミュニケーション会社を設立。
10年後、景徳鎮にて陶芸を始める。現在、景徳鎮にて制作活動。

