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「雅風急須 伊藤雅風の仕事」のお知らせ

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12月17日(土)から12月25日(日)まで開催する「雅風急須 伊藤雅風の仕事」のご案内です。


※12/17の初日のみ予約制となっておりますが、現在予約は一杯になっております。12/18からは予約無しでご入店頂けます。
https://utsuwanoteshop.stores.jp/items/638380074ff8c24b6d46e003



「雅風急須」(GAFU KYUSU)。愛知県常滑市の伊藤雅風さんの急須を固有名詞化して呼びたいと思います。



「雅風急須」で第一に大切なのは土づくりです。伊藤雅風さんの作る急須は焼締め。一般的に焼締めというと、無釉で粗いガサガサした土の焼き物を思い浮かべますが、「雅風急須」は粒子がきめ細かく手触りも滑らかです。それは原土を1年以上かけて水簸を繰り返し、最終的に目の細かい篩(ふるい)を通して土を作っているからです。また土づくりはそこで終わらず、土の灰汁が抜け、微生物が土を良くするまで3~5年ほど寝かせて熟成させるのです。この手間はひとえに美味しいお茶を飲むためです。きめ細かい多孔質の土で焼き上がった急須は、茶葉の渋みをとり、旨味を増す効果があります。この常滑伝統の土づくりを時間がかかろうとも愚直に守る、ここがまず「雅風急須」の真髄になります。


次に作り。「雅風急須」の形を辿れば中国宜興や江戸後期の木米といった古典を汲むものが見受けられますが、総じて言えば日本の急須の歴史を引き継いできた常滑急須に座すものです。その伝統の良さを踏まえて現代にフィードバックしている。斬新さを狙うのではなく、伝統を踏まえつつ、新しいものを取り入れる不易流行の体現です。あくまでお茶を美味しく淹れることに徹した流麗な造りの追及によって「雅風急須」は成されているのです。


さらにバリエーションの多さも注目されるでしょう。上級煎茶や中国茶を凝縮して味わうために大きさは小さめで、横手急須、後ろ手の茶銚、扁平な急須など茶葉の種類や喫茶スタイルに合わせて選ぶことができます。これは雅風さんが急須の作り手であると同時に、煎茶を日々嗜む愛好家であり、また骨董急須コレクターでもあることで、どんなお茶に急須が使い易いか、どういう急須の歴史があるかという豊富な知識に支えられていることにも起因しています。


そして何より「雅風急須」に於いて肝心なのが、その佇まいです。歴史、技巧、機能性を踏まえたとしても、最終的に大切なのはその道具に備わった品格です。急須は機能や様式的な美しさに加えて、茶を喫することで意識を高揚させる精神的な道具でもあります。急須という外形的な存在だけでなく、味や香りを昇華した先にある目に見えない品格を纏っているかが問われます。美しい音色を奏でる楽器のように「雅風急須」は道具として持つ喜び、使う喜びがあるのです。


急須の本質にあらためて着眼し、文化的役割を取り戻そうとしている。今、生成されつつある新たな急須を手に出来る喜び。追随者がいようとも「雅風急須」があったからこそ次が生まれた。その事実は記録されるべきです。ご本人はおおげさな呼称は気兼ねすると思いますが、歴史に刻むには言語化も大切です。だからこそ敢えて「雅風急須」と言い切ろうと思うのです。店主


雅風急須 伊藤雅風の仕事
2022年12月17日(土)~25日(日)
初日12/17の入店は予約制(満員御礼)
11時~18時 最終日は17時迄 
作家在廊日 12月17日・18日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6


略歴
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2022年 現在、愛知県常滑市にて制作


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上段左から
黒泥急須 胴径11・高さ8cm 180cc
藻掛大平丸急須 胴径17.5・高さ6cm 210cc
松花烏泥急須 胴径10.5・高さ8cm 160cc
青藻掛蓋碗 口径10・高さ7cm 70cc


下段左から
朱泥茶銚 胴径13.5・高さ6.5cm 170cc
藻掛平角形茶銚 胴径14・高さ4.5cm 100cc
黄泥急須 胴径11・高さ6.5cm 140cc
黒泥茶碗(内刷毛目) 30cc/黒泥打出紋茶托/黒泥船形湯冷耳付 120cc/黒泥茶心壷 100ml




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