

5月13日(土)~22日(土)に開催する「畑中篤展 TYPOGRAPHY」のご案内です。
奈良公園にほど近い住宅地の一角で制作している畑中篤さんのお仕事を初めて紹介します。奈良市で生まれ育ち、京都市立芸大で陶芸を専攻、卒業後は古都らしく寺の施設で修復の仕事に就き縄文土器や須恵器に触れました。その後、愛知県常滑市で陶芸家 吉川正道氏のアシスタントを務め、同地で作家として独立。同時に名古屋芸大の非常勤講師に就きます。常滑生活6年を経て、2010年に地元奈良に戻り作家活動を本格化し現在に至ります。
さて畑中さんの作品ですが、食器、茶器、花器、オブジェなど幅広く制作していますが、それらに一貫しているのは整然としたモダンなフォルムです。今展のタイトルに選んだ「タイポグラフィ」はもちろん文字を美しく配するデザインを表す言葉ですが、畑中さんの作品を見てフォントやカリグラフィなど、書体・字間などのプロポーションを整える美意識と通ずるものを感じました。
グラフィックデザインは、ついイラストや写真に目が留まりがちですが、実は文字のバランスのとれた配列の秩序が無ければ、全体の美しさは成立しません。かのスティーブジョブスが大学を退学後にもぐりこんだカリグラフィの授業で学んだタイポグラフィの基礎が、マッキントッシュの美しいフォントに繋がり、MACのデザイン性が重視されたことは有名な話です。陶芸も部分だけでは成立しません。それぞれのディテールが全体を構成し、その立体的な配列が美しいラインを生み出すのです。
年齢的に十分な経験を積んでいるとはいえ、まだ一般には広く認知されていない作家でしょう。弊店としては、敢えて新人を発掘する心構えで畑中篤さんのお仕事をお伝えして参りたいと思います。 ご高覧下さい。店主
畑中篤展 TYPOGRAPHY
2023年5月13日(土)~20日(土) 会期中無休
作家在廊日 5月13日
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1979年 奈良市生まれ
2003年 京都市立芸術大学 工芸科卒業
元興寺文化財研究所入所(~2005)
2005年 陶芸家 吉川正道氏に師事
2007年 独立 愛知県常滑市にて制作活動開始
2008年 名古屋芸術大学非常勤講師(~2014)
2010年 制作拠点を奈良に移し、現在に至る
作品写真
表面)
鉄錆面取急須 φ10.5/H15.5/430cc
縁白刻文盃 φ6.5/H5/50cc
白面取急須 φ8.5/H6.5/140cc
白面取急須 φ7.5/H7.5/150cc
化粧線刻急須 φ8.5/H8.5/200cc
宛名面)
荒化粧花器 W14/D11.5/H20.5