
5月25日(土)から始まる「中村志野展 木に宿る仏性」の出品物です。
中村志野さんの角大師(つのだいし)。手のひらほどの大きさ。置台のうえで撮影していますが、裏にフックが付いており壁掛けになっています。
角大師と言えば、お寺で“疫病鎮めの護符”として配られている角の生えた姿の版図をご覧になったことがあるかもしれません。ご利益があると分かっていても、一見すると少しコミカルな悪魔キャラのような様相で、肋骨が透けてか細く、あんたが病気ちゃうん?とこっちが心配になる印象もあります。元々は昔のお坊さんで慈恵大師が世の厄災を憂いて現した護符なのだそうです。
しかし中村志野さんの手に掛かれば、ご覧のように怒ったような顔ながらも穏やかなお相撲さんが口角を下げただけのような、角が生えているとは言え、なんかお前、しょうがないなぁと諭すような表情にも見え、疫病もきっとあきらめて帰ってしまうだろうといった、ひと頃のアマエビ的愛らしさも感じるのです。やっぱり可愛いですよね。
角大師(檜、漆、墨、白土)幅13.5/高さ13/奥行6cm
【中村志野展 木に宿る仏性】
Exihibition of Shino Nakamura "The Buddha Nature in Trees"
2024年5月25日(土)~6月1日(土)
作家在廊日 5月25日
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
略歴
1984年 青森県生まれ
2008年 金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業
2013年 東京藝術大学大学院博士号を取得
2013年 東京藝術大学にて助手(1年間)
2014年 東京藝術大学にて技術職員(1年間)
2015年 石川県挽物轆轤技術研修所にて挽物を学ぶ
2019年 石川県加賀市山中温泉にて独立
2024年 現在同地にて仏像彫刻や木工作品を制作
