
「藤田佳三展」の6日目。
玉壺春瓶(ぎょっこしゅんへい)と呼ばれる形をした染付花入です。元は中国宋代に見られる瓶の形で、元代から明代まで長きに渡って引き継がれた中国の定型的な瓶です。玉壺春という呼称はお酒の名前に由来するという説がありますから、もとはお酒を入れる瓶だったのでしょう。これもまた中国から安南(ベトナム)へ伝わり14~15世紀に類例が見られます。藤田さんのこれも下の胴が膨らみ、頚を細くして末広がりに開いた口が玉壺春瓶の特徴を捉えています。染付の藍色は濃く、程よく滲んだ草花の文様がやや侘しくもあり、時代の興廃へ馳せる思いを誘います。
24) 染付花入 Φ19/H19.5cm
【藤田佳三オンラインストア】
https://utsuwanoteshop.stores.jp/
販売期間:6/16(日)23時まで
藤田佳三展 安南安穏
2024年6月8日(土)~15日(土) 会期中無休
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
経歴
1963年 京都市生まれ
1982年 京都市銅駝美術工芸高校卒業
1986年 京都芸術短期大学陶芸専攻科修了
1987年 小川文斎氏に師事
1990年 兵庫県丹波立杭にて修行
1993年 京都府亀岡市にて独立開窯
2024年 現在、同地にて制作

