
10月10日(土)~19日(月)に開催する「 梶原靖元展 ~古唐津アスリート~」 のご案内です。
佐賀県唐津市の梶原靖元さんは1962年生まれ。桃山から江戸初期に作られた古唐津をはじめ、そのルーツである韓国や中国に及ぶ焼き物の本質を求めて作陶しています。
古唐津の写しが巧みな作家は数々あれど、梶原さんのアプローチはそれとは異なります。表層を写すのではなく、かつて陶工たちが行った土作りから窯の焚き方を丹念に研究し、その基本原理に倣って当時と同様のものを再現するのです。唐津で採れる砂岩を臼で砕き、蹴ろくろで形を造り、焼成はわずか数時間で一気に焚き上げます。決して複雑ではなく、当時の極めて合理的な生産方法に準じているのです。
古唐津の本質は、粘土ではなく石(砂岩)であると見抜き、いち早く実践した人です。ガラス質を多く含む砂岩で作られた器は堅く焼き締り、唐津特有のさくっとした肌質になります。梶原さん以前と以後で、古唐津のアプローチが変わったとさえ言われます。周囲の評価に執心することなく、自分の仮説を信じて行動で結果を生み出すこと。梶原さんの関心は、その1点にあるのです。
アスリートたちは、わずかコンマ1秒の差を追求します。ほんの瞬きにも満たない時間に人生をかける。梶原さんにもアスリートと同じような追求の美学を感じるのです。本展では古唐津に限らず、韓国や中国を源流とする器が並びます。日々進化する古唐津アスリートの成果をぜひご自身の目で確かめて頂ければと思います。 店主
梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 有田工業高校デザイン科卒業
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1995年 佐賀県唐津市和多田にて独立
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2001~現在 韓国や中国にて視察・研修・作陶を重ねる
2015年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶
梶原靖元展 ~古唐津アスリート~
2015年10月10日(土)~19日(月) 会期中無休
営業時間 11時~18時
作家在廊日 10月10日・11日・12日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
