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「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」8日目-2

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「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」は本日を持ちまして終了しました。

会期中に書けなかった窯の話を。

2014年に山本さんに展示会を依頼した頃から薪窯の構想はあり、その後土地探しを経て、ようやく昨年実現した窯には感慨深いものがあります。まだ2年前に山林だった土地を見せて頂いた時は、どうなることかと思いました。

長さ約10m、幅約2m、胴木の間+3室の割竹形連房式登窯です。唐津や伊万里に見られる初期の登り窯で、耐火煉瓦を使わず土で出来た窯です。山本さんが取り組む唐津から有田に移行し、磁器生産の始まった初期伊万里の作られた時代に即した旧式の造りに拘っています。

現代的な材料を選べば効率はあがるはずですが、敢えてこのサイズ(一人で扱うには大きい)や土窯(崩れやすい)にしたのは理由があります。

簡単に手に負えない装置であることで、窯の中に焼成温度に幅が出て出来損ないの器も生まれる。昔の窯はそうであり、その不作と思われるものの中に見立てられた名品が生れる(井戸茶碗、初期伊万里など)。焼き物の作為、無作為を考えるなら、その状況自体を作らないと超えられないのではないかと。窯に従う、山本さんの言葉です。

今展では初窯作品も若干並びましたが、まだこれから回数を重ね改良を加えていくことで安定してくることでしょう。

人生の選択としていろいろな局面で不器用な道を選ぶ人だなと思いますが、だからこそ生まれる魅力がある。ご本人は饒舌でないけれど、器が静かに語ってくれます。それを実証していくのが、伝える人であり、使う人だと思うのです。

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山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム
3月28日(土)で終了します。
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
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山本亮平
1972年 東京都生まれ
1998年 多摩美術大学油絵科卒業
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作

山本ゆき
1978年 長崎県生まれ
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2020年 佐賀県有田町にて制作



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