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「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」ありがとうございました

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「山本亮平・ゆき展 古典のミニマリズム」は昨日無事終了しました。不穏な状況にも関わらずご来店下さいました皆様に心より御礼申し上げます。

中学生の頃の話ですから、随分昔になります。同じクラスに恋心を寄せた人がいまして、それが三学期のことだったんですね。きっと一学期も二学期も同じ教室に居たはずなのにほとんど気にしたことがなくて。一学期に目につくのは、多感な年頃ですから、外見的にも性格的にも秀でた人だったりして、でも奥手なのでただ遠巻きに見ているだけなんですが。その三学期の子とは、何か特別なきっかけがあった訳じゃなくて、二列ぐらい先の右前の方が席だったように思います。前を向くと、ぼんやりと右の視界に映る後ろ姿。とても地味で大人しい子だったと思います。静かにそこに姿勢よく座って授業をうけている。それがとても気になって、右斜め前方を露骨に焦点を合わせないふりをしながら、ちらりちらりと見るようになって。ああ、これは恋なんだと自覚したのでした。結局はすぐに高校受験があって、ほんのわずかな期間で、なにも起こらなかったのですが、、。それだけ。つまらない話ですね。

恥ずかしながらこの話をするのは、山本さんの器に、その記憶が重なるんですよね。三学期ぐらいになって、その魅力に気づく、ささやかな存在。でもそれはとても純粋で愛おしい。そういう方が長く思い続けられる気がして。内省的で静かで、でも奥行を感じる存在、それが山本さんの器の魅力だし、いや自分自身が「うつわ」に抱く美しさの根底にあるんですね。もちろん、いろいろな価値観があって、常にそうではなく相対的に強いものを求めたりしますが、でも外形だけのことじゃなくて、作る人の意識とか生き方とか、そういうのも含めて昔の思いと符合することが多いのです。

なんか恥ずかしいけど。

世間がこんな状況だし、山本さんの器の印象も重なって、感傷的になる会期でした。1日短くなったのは残念ですが、このような時期にわざわざ川越までお出掛け下さった皆様には、あらためて、ありがとうを言わせてください。お持ち帰り頂きました山本さんの器が皆様の恋心をくすぐりますように。淡く儚く、でも美しい記憶と共に。

こんなに大変な状況になるとは思っていませんでした。病に伏しておられる方にお見舞い申します。一刻も早く快復されますように。各所で頑張っておられる方に感謝します。一刻も早く鎮静化することを祈っております。


これからの営業案内
うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
3/30(月)~4/3(金) 搬出・設営休
4/4(土)~4/12(日) 壷田和宏・壷田亜矢展
4/13(月)~4/17(金) 搬出・設営休
4/18(土)~4/26(日) 吉田佳道展
4/27(月)~5/8(金)休

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