
4月3日(土)から11日(日)まで開催する「大前悟展 幽世の陶」のご案内です。
大前悟展 幽世の陶(かくりよのすえ)
井戸、黄瀬戸、白楽、赤楽。国宝・不二山写、重文・加賀光悦写も目を見張る大前悟さんの茶碗の数々。実に上手い。茶陶愛好家に支持される理由も分かります。骨董の見識、土の選択、造りの巧さ、焼き方を踏まえたうえで、その風合いの捉え方にセンスを感じます。大前さんの焼き物は古陶の欠片が原点と言います。割れて朽ちたものに、温かさを感じ、当時の陶工たちの営みまで見えてくるそうです。興味深いのは、そのアプローチにあたって地元・淡路島の土を使ったものが多いことです。つい古陶に取り組むとその原点に近づこうとして、材料も方法も原理に拘りがちですが、大前さんの場合、そこに囚われずにその組成を読み取ったうえで、現地の土を使いこなしていることに天性の勘所の良さを感じるのです。現世(うつしよ)にあって、幽世(かくりよ)の陶(すえ)を得る。そう、古陶の再現ではなく、時間軸を超越した普遍性が大前さんの焼き物の魅力だと思います。普段は茶陶とは距離のある弊店ですから、従来からの大前さん支持される方だけでなく、初見の方もぜひこの焼き物を目にして頂ければと思っております。店主
プロフィール
※写真作品白黒茶碗(不二山写) 径12 高さ10cm鬼ヶ島焼締破れ壷 胴径39 高さ33cm
