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「東亨展 素材側から」7日目

「東亨展 素材側から」の7日目。


時折「工芸がアートに近づいた」とか「工芸がアートの境界を超えた」といった論調が見受けられますが、本来は、工芸がアートを包含するものであって、その認識はおかしなことだと思っています。縄文土器を見ても分かるように、実用と美術の要素は一体化していますし、その歴史を辿っても自然素材から触発された工芸的な思考が、やがてアートという概念を生み出したのです。中世までは工芸・美術の区別は難しく、宗教や権威を表す工芸がルネッサンス以降に人間主体のモチーフとなり、その延長上に現代のアートがコンセプトとして分離していったように考えています。工芸はゆうに1万年以上(石器も含めれば100万年以上)、かたやアートという概念は近代以降(あるいは現代)であり時間軸で見ても明らかです。

ゆえに事の原初には自然素材を如何に加工するかという人の動機があり、それが祈りや願いという形而上の表現に昇華していったと考える方がしっくりきます。東さんが言う「素材側」から受ける啓発は、その原点を捉えようする意識の表れであり、作品へのアプローチが極めて工芸的であるのは、アート然と振る舞うモノへのアンチテーゼでもあるように思います。それは彼が仕事で経験した知的障がい者の創作に見られるように、素材との対話は自己表現という自意識以前に動機がある事実にも感化されているのです。会期は残すところあと2日となりました。10/3(日)17時で終了させて頂きます。


緊急事態宣言は解除されましたが引き続き感染拡大防止に努めつつ営業致します。台風も過ぎ、週末は天気も良くなるようです。どうぞ東さんの作品を見に川越までお出掛けください。



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東亨展 素材側から2021年9月25日(土)~10月3日(日) 営業時間 11時~18時 最終日は17時迄ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
東 亨(あずま・りょう)プロフィール1988年 三重県生まれ2011年 大阪芸術大学 金属工芸コース修了2011~14年 同大学にて助手2015年~ 社会福祉法人に勤務2021年 現在、大阪府堺市在住 近隣の公園や河原でで製作
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