
「芳賀龍一展 ボーダーレス」は本日終了しました。会期中ご来店下さいました方、オンラインストアを通じてお選び下さいました方、皆様に厚く御礼申し上げます。2019年から二回目となる個展でしたが、芳賀さんの焼き物に対する輪郭が一層明確になる内容であったと思います。このような経過を観察できることは、ギャラリーの仕事冥利につきると思っております。
夏休み明けから渡辺隆之さん、東亨さん、そして芳賀龍一さんの展示会が続きました。いずれの方の作品も定型的な価値基準(産地・様式・分野)には収まらず、どう解釈すれば良いか参照するものがありません。このような肩書の定まらいものを受け入れられるかどうかは、受け手側に委ねられます。しかし今の時代を生きる者として、旧来の基準に頼ることなく、今生成されつつある物を自分自身の眼で決められる喜びがあろうかと思います。作り手だけでなく、我々受け手側もまた自分自身の境界を越えて物を受け入れることは、作ることに等しく、創造的な行為だと思うのです。
三回の個展を通して学びの多い内容でありました。ご自身の眼で選んでくださった皆様に心よりお礼申し上げます。そして芳賀さんはじめ、ボーダレスな取り組みをする作家さんのこれからの活動にどうぞご注目ください。