
10月23日(土)から31日(日)まで開催する「タナカシゲオ展 李朝の心」のご案内です。
タナカシゲオ展 李朝の心
2021年10月23日(土)~31日(日)
営業時間 11時~18時
最終日は17時迄
作家在廊日 10月23日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
李朝白磁は大正時代に浅川伯教から柳宗悦に紹介されたことをきっかけに広く注目されるようになりました。その魅力は多くの人によって語られていますが、要約すれば慈愛にみちた白、哀愁のある枯れた風情、外連味のない素朴さなど、外見的な技巧の精度ではなく、内面的な心情を呼び起こす抽象性にあるように思います。作りの脇の甘さや揺らぎなど本来なら陶磁器として負の要素であるにも関わらず、むしろ作為なき美として愛でるところに日本人的な美意識が表われています。
現代はこの美しさに惹かれて李朝白磁に向き合う陶芸家が多くいますが、いわば「あざとくない」ものを「あざとく」作る訳ですから、その基本姿勢をどこに求めるかは、作家ごとに異なります。例えば当時の材料や製作方法に近づく原理から入るのか、あるいは粗製の風合いを再現する技巧からアプローチするのか。
さてタナカシゲオさんの場合は、李朝の精神性に近づくことに主眼が置かれているように思います。学生時代から骨董好きで収集していたことにより、物を見る眼が備わっていること。次に自身の人生観と李朝の在り方に重なる点が多いこと。それを実践するように築三百年近い家に移り住み、暮らし方そのものを当時の意識に近づけていること。外形を忠実に写すことよりも肝心なのは、その心を一致させて体現することにあるのです。タナカさんの器の勘所のよさは、この精神性に基づいているからなのです。
今回の展示会を通して「李朝の心」が皆様に伝わればと思います。店主
1963年 京都 生まれ
2003年 京都 川口美術にて初個展
2007年 奈良県明日香村の古民家に移住
2011年 穴窯を築窯
2016年 倒炎式薪窯を築窯
2021年 現在、奈良県明日香村にて製作
