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「常滑 磯部商店 急須問屋の仕事」5日目-3

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「常滑 磯部商店 急須問屋の仕事」の5日目-3。


「磯部商店展オンラインストア」は本日9/27(水)20時から9/30(土)23時までご利用頂けます。今展に出品している内、100点強の急須をご覧下さい。尚、店頭でも同時に販売しておりますので、先に売約済みとなる場合がございます。どうぞあらかじめご了承ください。


【磯部商店展オンラインストア】

https://utsuwanoteshop.stores.jp/



常滑の急須と言えば、朱色に発色した焼き締め(無釉)の「朱泥(しゅでい)急須」がアイコニックな存在です。今展でも多くの作家による「朱泥急須」が並んでいます。作り手ごとの朱の発色の違い、手触り、手取りなどを見比べながらご覧ください。


朱泥土には酸化鉄が含まれており、それを酸化焔で焼くことで朱色に焼き上がります。きめ細かく水簸した土を無釉で焼き締めると、酸化鉄を含んだ多孔質な土が、お茶に含まれるカテキンを吸着して渋みを緩和し、お茶の苦みの成分であるタンニンを適度に減らしてまろやかで美味しい味わいにすると言われています。


朱泥の原点は、紫砂壷(しさこ)と呼ばれる中国明代に宜興窯(ぎこうよう)で生産された茶壷(急須)で、日本には幕末から明治に伝わりました。当時の宜興の茶壷(紫砂壷)は、渡来品ゆえに高額かつ文人趣味のアイテムで所有することが一種のステイタスシンボルでした。


そのような存在の朱泥急須を国産として実現すべく、尾張常滑村の御殿医師であった平野忠司(古陶器の収集家)が指導し、幕末・明治時代の常滑の陶工片岡二光、杉江寿門らに常滑の朱泥焼を完成させ、その後、鯉江方寿が明治11年に中国の文人、金士恒を招き、本場中国の急須作りの技法を当時の名工たちに学ばせことが始まりとされます。


また朱泥急須が全国的に認知されたのは、戦後の日本茶ブームに添った常滑急須の爆発的な広がりと共に、朱泥急須を高みにあげた人間国宝・三代山田常山の功績も大きいでしょう。


常滑の歴史を引き継ぐ「朱泥急須」の今をどうぞご堪能ください。


写真順
三代陶山 Tozan 3rd 1946~
初代陶山は初代常山の実弟という家系の三代目。一級建築士として勤める傍ら父 二代陶山から轆轤や釉薬等について学ぶ。00 年、陶山を襲名。弟 陶游とともに、常滑では唯一のパンパン製法の継承者です。(磯部商店作家紹介文より)



山田陶游 Toyu Yamada 1949~
二代陶山の次男として生まれる。現在、実兄の三代陶山とともに作陶中。1878 年に金士恒が常滑に伝えた中国宜興窯の急須製造法パンパン製法を常滑では唯一、陶山と共に継承しています。(磯部商店作家紹介文より)



四代山田常山 4th Jozan Yamada 1954~
父は人間国宝の三代目常山、先代に媚びない作陶を心掛けて茶器に拘らず幅広い作品を作り続けています。(磯部商店作家紹介文より)



清水北條 Hokujo 1945~(写真手前)
常滑市無形文化財保持者、そして 16 年には名誉ある瑞宝単光章も受章。近年は従来からの焼き締め作品を発展させた南蛮急須に意欲的に取り組んでいる。長い職人人生の末にたどり着いたプリミティヴな土味と挽きっぱなしの美の表現。(磯部商店作家紹介文より)



清水小北條 Kohokujo 1976~(写真奥)
父は常滑市無形文化財保持者 清水北條良質な北條陶房の山土は世界中のお茶愛好家から定評ある。父の技術を継承しつつ、彼独自の個性と世界観を作品で表現。平たい急須や象嵌を施した急須、煎茶のみならず、中国茶にも対応した茶器など意欲的に作陶中。(磯部商店作家紹介文より)



村越風月 Fugetsu Murakoshi 1950~
常滑の窯元の家に生まれ、高校に通いながら、人間国宝故 三代山田常山に師事。以来半世紀以上、急須制作に取り組んでいる。鉄分の多い朱泥土を用い、焼成方法で黒や窯変にした作品をメインに、藻掛けや彫りを施した作品も手掛けている(磯部商店作家紹介文より)



都築青峰 Seiho 1944~
思わず魅了されてしまう美しさと佇まい。スマートな印象でありながらも土の温もりも感じられる質感が上品でモダン。印花の技法のイメージが強いが、近年は自ら彫りを施した作品にもトライしている。(磯部商店作家紹介文より)



前川淳蔵 Junzo Maekawa 1975~
祖父と父は大物のヨリコ造りの職人という家に生まれたが、京都、瀬戸で修業した後、現在のような急須も作る職人に 。修業時代の経験や常滑での作陶経験から、今のバラエティーに富んだ作風に繋がっている。(磯部商店作家紹介文より)



谷川仁 Jin Tanikawa 1952~
自ら土を採掘して土を作り、釉薬の力を借りずに土そのものの魅力で勝負する潔さ。藻掛けのシリーズは定番の代表作。使い込めば使い込むほどに味わい深い色合いに育って行くのも魅力の一つです。(磯部商店作家紹介文より)



杉江木仙 Mokusen Sugie 1916~故人(写真手前)
初代友仙の助吉を得て茶器の作陶を始める。轆轤を使わない型押しの急須をメインに作陶し現在の常滑では見られない独特の味わい深さが魅力で今もなお木仙急須の評価は高い。(磯部商店作家紹介文より)



二代友仙 Y usen 2nd 1949~(写真奥)
色の異なる粘土を混ぜて作る「練り込み」の技法の元祖となる陶房。表面をカットすることで、より軽く、そして複雑な文様にする技術においては右に出る者はいない。手に取って、「これって陶器なんですよね?」とよく質問されるくらいだ。(磯部商店作家紹介文より)



常滑 磯部商店 急須問屋の仕事2023年9月23日(土)~30日(土)営業時間 11時~18時 最終日は17時迄  ギャラリーうつわノート埼玉県川越市小仙波町1-7-6049-298-8715 utsuwanote@gmail.com
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