4月2日（土）～11日（月）に開催する「 五十嵐裕貴 黒木器展 」のお知らせです。
木工作家・五十嵐裕貴さんの初個展です。木工旋盤で作られた墨仕上げの黒い木器。木の節や腐食をそのまま活かし、旋盤で薄く挽いた回転体。精確に形を整えることよりも、作者の呼吸のリズムを優先し、木工かんなで削り出していきます。それは粘土をろくろで挽く感覚と似ています。作り過ぎず、どこで止めるかが肝心。そうすることで運動体の伸びやかな流れが活かせるのです。木の息吹を読みながら、存在感ある形を捉えること。それが五十嵐さんのセンスでしょう。今回大ぶりな黒色の木器を代表に、壺・花器・盆・鉢・椀をご覧頂けます。
まだ30代前半の五十嵐さんですが、訓練校で木工を学んだ後は、家具を作る会社に職人として働いていました。2010年に独立してからは、家具やテーブルウェアを制作。当初は日常性を重視した柔和な作風が主でしたが、近年、木の持つ生命をそのまま感じる造形に魅かれ、プリミティブな様相の木器を中心に制作しています。いずれも実用を前提とした器ですが、それ以前に物体として強い存在感に引き付けられる事と思います。
この個展にかける思いも強く、長野の標高の高い村の古民家で氷点下の厳しい冬の間も、ひとり黙々と製作に励んでくれました。ギャラリーとして初めての個展を迎えることは、大変な喜びであるとともに、大きな責任も伴います。多くの皆様にご覧頂き、ご助言を賜ることを願うばかりです。ちょうど桜の開花の頃、新年度に相応しい初々しい個展を是非ご高覧ください。店主
五十嵐裕貴プロフィール
1984年 千葉県茂原市生まれ
2008年 東京の職業訓練校にて木工を学ぶ
2009年 岐阜県の家具メーカにて家具を作る
2010年 埼玉県川口市の家具工場にて家具を作る
2010年 埼玉県川口市にて独立
2014年 長野県南牧村に移住し、工房を構える
2016年 現在、同地にて製作
五十嵐裕貴 黒木器展
2016年4月2日（土）～11日（月） 会期中無休
営業時間 11時～18時
在廊日 4月2日（土）・3日（日）
ギャラリーうつわノート（埼玉県川越市） 地図
